Claude Codeを本格的に実務導入したのは今年の初めごろだ。3ヶ月使い続けた今は、開発フローが別物になっている。
ただ正直に言うと、変わったのは自分の開発フローだ。チーム全体への浸透は、まだこれからの話だ。
導入前の課題
導入前のチーム状況はこうだった。
- コードレビュー工数:レビュアーが自分一人のため、レビューが詰まると開発がブロックされる
- 品質のばらつき:未経験エンジニア2名のコードは丁寧にレビューしないと本番インシデントのリスクがある
- ドキュメント不足:実装した機能の仕様がコードにしか残らず、引き継ぎコストが高い
Claude Codeの主な使い方
自分の実務での主な使い方は3パターンだ。
コードレビューの補助
PRを出す前に一次レビューをさせる。潜在的なバグ・セキュリティ上の問題・命名の一貫性を指摘させてから自分がレビューする。レビュー時間が体感で40〜50%削減された。
コードベース全体を把握したリファクタリング
リポジトリ全体を読んだ上で回答できるのが強みだ。「このモジュールと他の依存関係を整理して、リファクタリング案を出して」といった指示に対して、実際のコードに基づいた提案を出してくれる。
ドキュメント自動生成
実装済みのコードからJSDocやAPIドキュメントを生成させる。手間のかかるドキュメント作業が大幅に短縮できた。
CursorとClaude Codeの使い分け
| ツール | 得意なこと | 自分の使い方 |
|---|---|---|
| Cursor | エディタ上でのインライン補完・小さな修正の高速化 | 日常的なコーディング全般 |
| Claude Code | コードベース全体を把握した設計判断・レビュー・リファクタリング | 設計フェーズ・レビュー補助 |
「Cursorは手を速くする、Claude Codeは頭を補佐する」という感覚が近い。
具体的な効果
- コードレビュー時間:1PRあたり平均45分 → 20〜25分(約45%削減)
- JSDocなどドキュメント作業:ほぼゼロに近づいた
- 仕様調査:既存コードの理解にかかる時間が体感で半分以下
AIの出力をそのまま採用せず確認する時間は発生するため、全部が速くなるわけではない。品質に直結する判断は必ず人間が見るスタンスは崩していない。
医療・規制産業でのAIツール利用指針
医療系という性質上、利用ガイドラインの整備が必要だった。
- 患者情報・治験データをAIツールに入力しない(絶対原則)
- コードをAIに渡す場合も、コメントに個人情報が含まれていないか確認する
- AIが出力したコードは必ず内容を理解してからコミットする(ブラックボックスのまま使わない)
- セキュリティに関わる処理(認証・暗号化・アクセス制御)はAI補助なしで人間が責任を持つ
これをルールとしてまとめて、入社時のオンボーディングに組み込んだ。
チームへの浸透は、まだ途中
「自分が便利だから全員に使わせる」という押し付けはしたくなかった。先に自分が使いこなして成果を見せてから声をかけるつもりだった。
ただ、メンバーの反応はまちまちだった。
あるメンバーは「なるべく自分の力でやりたい」と言ってAIをあまり使わないスタンスを取っていた。そのときに言ったのは「AIはツールだから、誰より使いこなした方がいい」ということだ。ハンマーを使わずに手で釘を打つ必要はない。
ただ、これが腑に落ちるかどうかは本人次第だ。今もチーム全体での活用は進行中で、「浸透できた」とは言えない状態だ。
次のステップ:開発フロー自動化へ
個人の開発効率を上げた次は、仕組みとして組み込む段階だと考えている。
PRが出たタイミングでAIが一次レビューを行い、命名・重複・潜在バグ・セキュリティの観点を自動チェックする。人間のレビューは設計判断に集中できるようにする。今の「自分が手動でClaude Codeに投げる」という使い方を、CI上で自動化する形に移行する。
個人のスキルに依存した運用を、仕組みに変える。それが今目指している方向だ。
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